因幡電機製作所さんに
任せたら、間違いない。

配電盤に部品を取り付ける

そんな評価を得られたときほど、心おどる瞬間はない。
照明・配電という競争の激しい業界において、多くの顧客からそこまで言ってもらえる理由のひとつは、業界トップクラスのカスタマイズの力だ。

大手の企業が生産効率を上げることで利益を高めようとするなか、それは真逆を進むようにも見える。
個別の要望に応えていくことは、それだけ時間や労力を費やすことになり、効率が悪くなるからだ。

しかし、受配電の仕様や設置条件など、顧客が求めているのは「この現場に合う、ベストな仕様」。
標準品では満たされないニーズをていねいに受け止め、持ち前の技術力によって、レベルの高い答えを提供することで満足を勝ち取る。それが因幡電機製作所の得意とするところだ。

「カスタマイズで利益を出していく以上、他ではできないことを提供する必要があります」
川口社長はストレートだ。
たとえば、標準品では対応できない大規模な建築、標準品では設置できない場所など。
毎回のように持ち込まれる難題に、どのようにして応えるのか。それを語るにふさわしい、究極のカスタマイズと言える事例がある。

大型台風がもたらした停電。
空港の機能が止まった。

復旧作業の様子

2018年9月、近畿地方をおそった台風21号の被害は甚大なものだった。
関西国際空港では、第1ターミナル地下の電源施設の一部が水に浸かり、大規模な停電が発生。ターミナルの照明はすべて消え、空調もストップ。足止めをくらった旅行客たちは、床に段ボールを敷いて、蒸し暑い夜を過ごすことになった。

「無茶なお願いですが、なんとか3日間で復旧させたい」。
設備工事会社の声は緊迫していた。

通常なら、少なくとも1~2ヵ月はかかる復旧作業だが、そんな悠長なことは言ってられない。真っ暗ななかで困っている人たちを救うため、断る理由はなかった。

何より大事なのは、
まず電気を通すこと。

配電事業部長、片山洋一

当初の依頼は、現場に人を派遣し、仮設作業を手伝ってくれというものだった。
しかし、スピードを考えれば工場の機動力、対応力を最大限に活用し、仮設用に新品をつくって納品するほうが、絶対に早い。聞けば、部品は設備工事会社が持っている。それなら「中身はうちが作ります」。設計や営業、製造の担当者がすぐに動きだす。

「やると決まれば、うちはものすごく早いんですよ」。配電事業部長の片山はふりかえる。
事実、翌日の夜には配電盤など20台をすべて納品。その次の日に、製造や試験のスタッフが現場に押しかけて最終仕上げをおこない、2日後には仮送電ができて、第一ターミナルに歓声があがることとなった。

「もし、現場での作業にこだわっていたら、間に合わなかったでしょうね」。
依頼されるままに、ただ動くだけではプロと言えないと、片山は言いたいのだ。
大切なのは、本質を見極め、解釈して、ほんとうに求められる答えを提案できるかどうかだ。

お客さまに真摯に向き合うこと。

代表取締役社長、川口久文

「もちろん、品質の高さは基本です。それがなくては、インフラを支えるメーカーとしての存在価値はないですから」。
照明と配電の分野でこれまでつちかった実績に恥じぬよう、社長は気を引き締める。

「そのうえで、お客さまに真摯に向き合うこと。お客さまに納得してもらえるように、心血をそそいでやり切る。何があっても投げ出さない。
カスタマイズ品は人がつくるものですから、人がどう考え、どのように人に応えるかが重要なんです」。

現場の声が形になるから、
社会にも受け入れられる。

照明器具の製作の様子

カスタマイズ製品の強みを知っているのは、照明事業部長の内山も同じだ。
「あるお客様から、道路の幅員に応じて現地で取付角度を調整できる照明はないか、という声があったんです。じっくりと要望を聞き出して構造を検討し、製品化することができました。おかげで事前の現地調査がなくなったと喜んでいただいています」。

先駆けてお客様の要望に応えることによって、標準品としてもニーズが高くなる。他にはないだけに、ときには競合他社からも声がかかることがある。

自分たちが今求められているものは、何なのか。しっかりと向き合いながら、柔軟な発想で仕掛けていく。
因幡電機製作所のカスタマイズ力は、まだまだ進化していく。

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